光脱毛の前後には、お客様に控えてもらいたいことがいくつかあります。伝え漏れがあると、赤みやかゆみなどのトラブルにつながり、サロンの信頼にも関わります。この記事では、注意事項の中身と理由、そして確実に伝えるための方法とタイミングをまとめます。
なぜ注意事項をきちんと伝えるのか
国民生活センターには、脱毛の施術でやけどや皮膚障害が起きたという相談が寄せられています。2017年の発表では、やけど等の症状が出た人のうち7割以上が、事前にリスクの説明を受けていなかったとされています。
注意事項を伝えるのは、まずお客様の肌を守るためです。同時に「そんなことは聞いていない」という行き違いを防ぎ、サロンを守ることにもつながります。
施術前に控えてもらうこと
日焼け
光脱毛の光は、毛の黒い色(メラニン)に反応します。日焼けで肌の色が濃くなっていたり、赤くほてっていたりすると、肌にも熱が加わりやすくなります。国民生活センターの報告書でも、脱毛の光は毛の黒い色素に吸収されて熱を持つこと、光脱毛には黒い毛以外の色に反応する波長も含まれることが説明されています。日焼けで炎症がある肌への照射は、やけどのもとになります。
お客様には、通っている間は日焼け止めや日傘で日差しを避けてもらいます。来店時に日焼けしていたら、出力を下げるか、その日の施術を延期します。
制汗剤・汗ふきシート
マナーとして、来店前にわきへ制汗剤を使ってくる方がいます。成分が肌に残ったまま照射するのは避けたいので、予約の案内で「当日は使わずにお越しください」と伝えます。使ってきた場合は、施術前にふき取ってもらいます。
毛抜きでの自己処理
光は毛の根元の黒い色に反応します。毛抜きで抜くと、光が反応する毛そのものがなくなります。施術前の自己処理は、肌への負担が少ない電気シェーバーで剃ってもらうよう伝えましょう。
施術後に控えてもらうこと
施術後の肌は、光の熱で赤みが出たり、乾燥したりしやすい状態です。「温めすぎない」「こすらない」「日に当てない」が基本です。
体を温めること(当日)
- 長風呂・サウナ・岩盤浴(シャワーにしてもらう)
- 激しい運動
- 飲酒
- 痩身エステやマッサージ
体が温まると、赤みやかゆみが強く出ることがあるためです。休日に美容のはしごをする方もいるので、同じ日の予定も聞いておくと安心です。
肌への刺激(肌が落ち着くまで)
- 洗浄力の強い石けん、ボディタオルでのこすり洗い
- 締めつけの強い下着や服
- カミソリでの深剃り、毛抜き
- 制汗剤
こすったり刺激したりすることは、黒ずみ(色素沈着)のきっかけにもなります。詳しくは「ワキの黒ずみは脱毛のせい?」で解説しています。
日焼け
施術後の肌も日差しを避けてもらいます。医学事典のMSDマニュアルでも、炎症のあとに色素沈着が起きることがあり、治りかけの皮膚を日光にさらすのは避けるべきとされています。
控えることだけでなく「保湿」も
保湿もあわせてすすめます。肌が乾燥していると光が通りにくくなり、効果にも影響します。施術時の工夫は「脱毛ジェルの選び方」もご覧ください。
伝え方:口頭だけで終わらせない
口頭だけだと、言い漏れも聞き漏れも起きます。あとから見返せる形で残しましょう。
- 注意事項を1枚の紙にまとめて渡す
- 予約確認や施術後のお礼のLINE・メールに添える
- カウンセリングの同意書に項目として入れ、確認のサインをもらう
伝える言葉の例
- 「今日はシャワーだけにしてください。湯船で温まると赤みが出やすくなります」
- 「次回まで、毛抜きは使わずにシェーバーで剃ってきてください」
- 「赤みやかゆみがなかなか引かないとき、水ぶくれが出たときは、すぐにご連絡ください」
理由を一言そえると、お客様は守ってくれやすくなります。
伝えるタイミング
- 予約時:日焼け・制汗剤・自己処理の方法など、来店前に必要なこと
- カウンセリング:全体をまとめて説明し、紙で渡す。服薬や体調もここで確認します(→「薬を飲んでいるお客様の脱毛」)
- 施術の直後:その日に控えることをもう一度
- 次回予約の前:自己処理と日焼けのリマインド
トラブルの連絡を受けたら
赤みやかゆみの連絡を受けたら、まず状態を聞き、写真を送ってもらいます。症状が続くときや強いときは、皮膚科の受診をすすめます。国民生活センターも、危害を受けた場合は速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。やりとりはカルテに記録しておきましょう。
カウンセリングシートに入れておきたい項目
注意事項を守ってもらうには、お客様の状況を先に知っておくことも大切です。カウンセリングシートには、次のような項目を入れておきましょう。
- 最近、日焼けをしたか(海やレジャーの予定はあるか)
- ふだんの自己処理の方法(カミソリ・シェーバー・毛抜き・除毛クリーム)
- 今飲んでいる薬、塗っている薬
- 肌が弱い、かぶれやすいなど、これまでの肌トラブル
- 施術の当日や翌日に、運動や飲み会などの予定があるか
答えに合わせて、「来週は海に行くなら、施術は帰ってきて肌が落ち着いてからにしましょう」のように、予定の調整まで一緒に考えると親切です。
まとめ
- 施術前は「日焼け・制汗剤・毛抜き」を避けてもらう
- 施術後は「温めすぎない・こすらない・日に当てない」、そして保湿
- 口頭だけでなく、紙やLINEなど残る形で伝える
- 予約時・カウンセリング・施術直後・次回前と、くり返し伝える
注意事項をていねいに伝えることは、お客様の満足度とサロンのリスク管理の両方につながります。
参考
- 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170511_1.html
- 国民生活センター「なくならない脱毛施術による危害」報告書(PDF) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20170511_1.pdf
- MSDマニュアル家庭版「色素沈着」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/17-皮膚の病気/色素異常症/色素沈着
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