「薬を飲んでいるけど、脱毛して大丈夫ですか?」と聞かれたとき、理由まで説明できるでしょうか。この記事では、薬と光の組み合わせで起きる「光線過敏症」の仕組みと、サロンとしての確認・対応の流れをまとめます。
最初に決めておくこと:判断するのはサロンではない
薬を飲んでいるお客様に施術してよいかを、サロンが判断することはできません。サロンの役目は、きちんと聞くことと、医師に確認してもらうこと、そして確認できるまで施術を延期することです。
また、「脱毛の日は薬を飲まないでください」とは決して言わないでください。処方された薬をやめるかどうかは、医師が決めることです。延期すべきなのは、薬ではなく脱毛のほうです。
なぜ薬に注意が必要なのか
光線過敏症とは
薬の中には、光を吸収する成分を含むものがあります。その成分が皮膚に届いたところに光が当たると、成分が変化して皮膚に炎症を起こすことがあります。これを「薬剤性光線過敏症」といいます。
症状は、日焼けに似た赤みや痛み、かゆみ、水ぶくれなどです。飲み薬だけでなく、湿布や塗り薬、化粧品、香水などでも起こることがあります。
主な原因は紫外線。でも安心とは言い切れない
光線過敏症を起こす光は、主に紫外線(特にUVA)とされています。一方、脱毛機の光は、機種ごとにフィルターで波長をしぼっています。学会の資料に載っている機種では、650〜1,200nmなど、目に見える光から近赤外線の範囲です。
ただし、薬と脱毛機の光の組み合わせで何が起きるかを、サロンが確かめることはできません。だからこそ、医師に確認してもらうことが大切です。
注意が必要な薬の例
大学病院の薬剤部の資料では、光線過敏症の原因になりうるものとして、次のような例が挙げられています。
- 一部の抗菌薬(ニューキノロン系など)
- 一部の痛み止めの湿布・塗り薬(ケトプロフェンを含むもの)
- 利尿薬(チアジド系)
- 一部の血糖を下げる飲み薬
- 一部の抗精神病薬
- 柑橘系の精油、クロレラなどの健康食品
これはあくまで例です。ここにない薬でも起こることがあります。リストに当てはまるかどうかをサロンで判断せず、「何か飲んでいる・塗っている」なら医師に確認してもらいましょう。
サロンでの確認の流れ
① カウンセリングで聞く
問診票に、次の項目を入れておきます。
- 今飲んでいる薬(ふだん飲んでいる薬も、ときどき飲む薬も)
- 使っている塗り薬・湿布
- サプリメント・健康食品
- 過去に、薬を飲んで日光で肌が荒れたことがあるか
ふだんから飲んでいる薬がある場合は、かかりつけ医に「光脱毛を受けてよいか」を確認してもらいます。確認が取れるまでは施術を待ちます。
② 来店ごとに聞く
「前回から、新しく飲み始めた薬や、塗っている薬はありませんか?」と、毎回の施術前に一言確認します。風邪薬や抗菌薬など、短い期間だけ飲む薬もあるためです。
③ 記録を残す
聞いた内容と、医師に確認した結果をカルテに残します。担当者が変わっても同じ対応ができるようにするためです。
施術を延期するときの伝え方
延期は、お客様にとって残念なことです。理由をきちんと伝えましょう。
- 「お薬と光の組み合わせで、肌が赤くなることがあるんです。念のため、今日はお休みにさせてください」
- 「先生に『脱毛を受けてもよいか』だけ聞いてみていただけますか。大丈夫と分かったら、すぐにご予約をお取りします」
目の前の売上より、お客様の肌を優先する。その姿勢が、長く通ってもらえる信頼につながります。スタッフ全員が同じように説明できるよう、研修で練習しておきましょう(→「脱毛の技術と研修」)。
施術前後の注意事項は「脱毛前後の注意事項とお客様への伝え方」にまとめています。
お客様によく聞かれる質問
「薬局で買った薬や湿布でもダメですか?」
処方薬でなくても、成分によっては光線過敏症に注意が必要なものがあります。「薬局で買ったものも、念のため薬剤師さんか先生に確認してみてください」と伝えましょう。
「もう飲み終わった薬は大丈夫?」
薬が体に残る期間は、薬によって違います。サロンで「何日あければ大丈夫」と決めることはできません。飲み終わった時期を聞いたうえで、医師や薬剤師に確認してもらいます。
「先生にOKをもらいました」
確認した日と内容をカルテに残します。そのうえで、最初は出力を低めにし、試し打ちで肌の反応を見ながら進めましょう。施術後に赤みやかゆみがいつもより強く出たら、すぐ連絡してもらうよう伝えておきます。
まとめ
- 薬によっては、光で肌に炎症が起きる「光線過敏症」がある
- 主な原因は紫外線だが、脱毛機の光で何が起きるかはサロンでは判断できない
- 薬をやめさせず、医師に確認してもらい、確認できるまで施術を延期する
- カウンセリングと来店ごとに聞き、カルテに残す
参考
- 岡山大学病院 薬剤部「薬の窓口:薬剤性光線過敏症」 https://pharm.hospital.okayama-u.ac.jp/kanja/pdf/mado361.pdf
- MSDマニュアル家庭版「光線過敏反応」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/17-皮膚の病気/日光と皮膚障害/光線過敏反応
- 日本医学脱毛学会「IPL」 https://www.igaku-datumou-gakkai.com/ipl
集客に困らない都度払い脱毛サロンの開業ロードマップ
都度払いの脱毛サロンを、開業日からお客様がいる状態で始めるための動画(約1時間)です。特典の「ステップ0〜7の開業ステップ動画」も一緒に受け取れます。
公式LINEで受け取る(無料) →