レジ締めは、お店の運営に欠かせない毎日の仕事です。オーナーが閉店時にお店にいれば売上金を直接受け取れますが、スタッフに任せる日や、お店が複数ある場合はそうはいきません。この記事では、私たちのサロンで実際に行っているレジ締めと現金管理の方法を紹介します。
この方法で目指すこと
レジ締めの仕組みづくりで大切なのは、次の3つです。
- 誰がやっても同じ手順になる:スタッフが変わっても迷わない
- お金の動きが記録に残る:あとから合わない日を追いかけられる
- 現金を持ち歩く回数が少ない:スタッフの負担と紛失のリスクを減らす
この3つを満たすために、私たちは「管理シート」「2つの口座」「袋」「レジ金庫」の4つを使っています。
開業前に準備するもの
1. レジ締めの管理シート
毎日の売上、現金の数、レジに残す金額を書く表です。スプレッドシートで作れば、オーナーは離れた場所からでも確認できます。

日付、現金売上、キャッシュレスの売上、レジに残した金額、担当者の欄があれば十分です。毎日同じ形で書くことで、合わない日にすぐ気づけます。
2. 銀行口座(入金用と本命の2つ)
私たちは、入金用と本命の2つの口座を使い分けています。
| 口座 | 使い方 |
|---|---|
| 入金用 | 現金売上を入れるだけ。振込・出金・デビットはすべて設定で止める |
| 本命 | 家賃や仕入れなどの支払いに使う、お店のメイン口座 |
入金用のカードは「入れることしかできない」状態にしておきます。スタッフに預けても、お金を引き出せないので安心です。入金専用のカードを有料で発行している銀行もありますが、私たちはネット銀行の口座を設定で入金専用にして使っています。
口座を選ぶときは、次の点を比べましょう。
- 近くのコンビニやATMで入金できるか
- 入金の手数料が無料になる条件(金額・回数)
- 口座どうしでお金を動かすときの手数料
- 法人で複数の口座やカードを持てるか
手数料の条件は銀行ごとに違い、変わることもあります。必ず各銀行の公式サイトで今の条件を確かめてください。
3. 売上を入れる袋(2つ)
お札が入る幅のある、チャック付きの袋を2つ用意します。1つは小銭用、1つはお札の持ち越し用です。

4. レジ金庫
小銭とお札を分けて出し入れしやすいものを選びます。受付から見える場所に置くなら、お店の内装に合うデザインにすると雰囲気をこわしません。私たちのサロンは木目の内装が多いので、木製の金庫にしています。

ほかの開業準備の道具は「開業に必要な備品リスト」にまとめています。
毎日のレジ締め(ステップ1〜5)

ステップ1:管理シートに記入する
閉店後、スタッフがその日の売上と現金の数を管理シートに書きます。予約システムの売上と現金の数が合っているかを、ここで確かめます。
ステップ2:売上をレジから出し、翌日のレジ金だけ残す
レジに残す金額(レジ金)を決めておき、それを超える分を売上として取り出します。私たちのサロンでは、2022年時点の一例として、レジ金を3万円にしていました。
ステップ3:売上の小銭は袋に入れる
コンビニのATMでは小銭を入金できないことが多いため、小銭は袋にためておきます。
ステップ4:売上のお札は入金するか、袋で持ち越す
入金手数料が無料になる金額がある銀行なら、その金額に届いた日に入金用口座へ入れます。届かない日は袋に入れて翌日に持ち越します。私たちは、手数料がかからない金額にたまるまで持ち越すルールにしています。
ステップ5:レジ金を数え、両替する
毎日、レジ金を決まった内訳にそろえます。お釣りが足りなくならないよう、内訳まで決めておくのがポイントです。2022年時点の一例(レジ金3万円の場合)は次のとおりです。
| 種類 | 枚数 | 金額 |
|---|---|---|
| 5千円札 | 3枚 | 15,000円 |
| 千円札 | 10枚 | 10,000円 |
| 500円玉 | 6枚 | 3,000円 |
| 100円玉 | 20枚 | 2,000円 |
| 合計 | 30,000円 |
全身脱毛のように料金がきりのよい金額のメニューが多いと、小銭の出入りは少なくなります。料金を決めるときに、お釣りの出やすさも考えておくと、レジ締めが楽になります。
毎月1日の作業(ステップ6〜7)
ステップ6:1か月分の小銭をまとめて入金する
ためた小銭は、月に1回、小銭を入金できるATMでまとめて入金します。硬貨の入金に手数料がかかる銀行もあるので、回数を減らすのが基本です。
ステップ7:入金用口座から本命の口座へ移す
毎月1日に、前の月の現金売上を入金用口座から本命の口座へ移します。手数料のかからない移し方がある銀行なら、それを使いましょう。
この流れにすると、入金用口座の1か月の入金額と、管理シートの現金売上が一致するかどうかで、ズレにすぐ気づけます。
うまく回すためのコツ
- 手順を紙にして金庫の近くに貼る:新しいスタッフでも同じ流れでできます。
- 合わない日はその日のうちに記録する:会計の時間と内容を見返せば、原因を見つけやすくなります。
- キャッシュレス決済も同じシートで管理する:現金だけでなく、カードやQRコード決済の売上も並べると、1日の売上全体が見えます。
スタッフに任せるときに決めておくルール
オーナーがお店にいない日でも同じように回すには、手順だけでなく「困ったときにどうするか」まで決めておくことが大切です。
| 場面 | 決めておくこと |
|---|---|
| 現金が合わない | 何円までのズレなら記録だけにするか。誰に、いつ連絡するか |
| お釣りが足りない | 両替をどこで、どの時間にするか |
| 入金に行けない日 | 袋に入れて金庫で持ち越す。持ち越した日を管理シートに書く |
| 返金が必要になった | 現金で返すのか、振込で返すのか。誰が判断するか |
| 金庫の鍵 | 誰が持つか。閉店後の保管場所 |
ルールが決まっていないと、スタッフはその場で判断に迷います。判断に迷う場面を先に決めておくと、スタッフの負担も減ります。
キャッシュレス決済との照合も忘れずに
今は、カードやQRコード決済で払うお客様も多くいます。現金のレジ締めだけでなく、キャッシュレスの売上も定期的に照らし合わせましょう。
- 予約システムに記録した「支払い方法ごとの売上」と、各決済サービスの管理画面の取引額が合っているか
- 1回の会計を、現金とカードなど2つの方法に分けた場合に、記録が正しく分かれているか
- 決済サービスからの入金日と金額が、通帳の記録と合っているか
ズレが見つかったときは、会計の時間と内容で1件ずつ突き合わせると、原因を推測ではなく事実で確かめられます。月に1回でも照合する習慣をつけると、入力ミスや打ち間違いに早く気づけます。
まとめ
毎日すること
- 管理シートに記入する
- 売上をレジから出し、レジ金だけ残す
- 売上の小銭は袋に入れる
- 売上のお札は入金するか、袋で持ち越す
- レジ金を数え、決まった内訳にそろえる
毎月1日にすること
- 1か月分の小銭をまとめて入金する
- 入金用口座から本命の口座へ移す
入金用と本命の2つの口座を分けるだけで、スタッフに任せても現金の流れを追いやすくなります。開業の準備全体は「開業ステップ7:オープン準備」もあわせてご覧ください。
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